一般社団法人斜面防災対策技術協会 富山支部
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石井富山県知事へ知事要望を行いました。(平成29年12月4日、知事応接室)

 県:石井知事、加藤土木部長、芝田農林水産部長他
協会:田中支部長、津嶋富山県地質調査業協会会長、松島理事

村尾支部長 挨拶

田中支部長から知事へ要望書の提出

高沢由美 講師

田中支部長から要望の説明

1. 地すべり対策事業および斜面崩壊対策事業の予算の増額について

近年、異常気象に伴うゲリラ豪雨や地震・火山災害による人的被害が多くなってきています。このため、地すべり等斜面災害から国土と国民の生命・財産を守ることが急務となってきています。お陰様で、地すべり等斜面調査および工事等の予算について、平成29年度予算は対前年度比と同額(1.00)の予算を確保していただき、また、南砺市旧利賀スキー場での地すべり災害の補正予算の確保つきましても配慮していただき、厚くお礼申し上げます。
平成30年度予算につきましても、必要予算額を確実に確保し、また増額していただきますようお願い申し上げます。

富山県における土砂災害危険個所の整備状況
〇土砂災害危険個所 4,944か所
〇うち重要整備箇所 1,804か所
〇対策済み箇所    605か所
〇平成27年度末の整備率 33.5%

知事回答:石井国土交通大臣へ地方への配分を目配りするよう直接お願いし、現状を理解して頂いた。平成30年度当初予算については努力したい。

2. 「登録地すべり防止工事士」の積極的な活用について

地すべり防止工事、斜面崩壊防止工事の特殊性に鑑み「登録地すべり防止工事士」の資格を有する技術者を現場に常駐し、工事の安全・確実・迅速を目指しているところです。
地元業者の技術水準につきましては、当協会一丸となって技術の向上を目指し、斜面防災対策技術協会をはじめ地すべり防止工事士会、地質調査業協会による講習会や、官公庁主催の研修会などへ積極的に参加し、技術資格の修得に努めてきております。
集水井や抑止杭はもとより、横穴水抜きボーリング工事、法面工事におけるアンカーが含まれる特殊工事においても、工事入札資格の技術者要件に、地すべりのメカニズムに精通した「登録地すべり防止工事士」を有資格者として明記していただきますようお願い申し上げます。

「登録地すべり防止工事士」資格者(平成29年6月時点)
〇全 国  4,207名
〇富山県   157名(会員137名、20社)
・現在の資格条件工事 集水井工事、抑止杭(鋼管杭)工事

知事回答:資格者を抱えている企業を優先すべきである。資格条件に設定している県は、富山を含め4県であるが、今後試行範囲を広げていく。

3. 地すべり防止施設の長寿命化計画策定調査の実施と計画的な維持管理
工事の実施について

国土交通省は、インフラ長寿命化計画(行動計画)のなかで公共土木施設の構造物は、5年に一度の点検を義務づけることを省令や告示で公布しました。
県内で実施された地すべり防止施設について、具体的には、集水井、抑止杭、横穴水抜きボーリング、法面工などの施設は、設置してから50年近く経過した施設も多く、老朽化などが進み機能が低下しているものが多くあります。
これからは、施設の維持管理のため長寿命化計画を作成し、計画的な補修と抜本的な更新を実施する必要があると考えられます。
幸い県において、地すべり防止施設の長寿命化計画策定調査が始まりましたが、今後、計画的な維持管理工事の実施についても、是非当協会をご活用いただきたい。

知事回答:平成30年度に計画を策定するため、施設点検、健全度評価の作業を推進している。点検を計画的に行い、斜面防災関係の事業予算が平準化するようにしたい。

4. 「立山・黒部」世界文化遺産登録に向けた支援について

富山県では、「立山・黒部」の世界文化遺産登録を目指し、カルデラ内の立山砂防を中心に国際的な評価の検証・確立等に取り組んでおられます。
当協会では、富山県が開催する「シンポジウム」、「講演会」などに会員が積極的に参加し支援をしています。
また、今年9月には、常願寺川流域の立山町立立山中央小学生が、カルデラ内での防災事業の砂防を勉強し、常願寺川の自然や砂防・治水などについて学び、斜面防災の大切さに関する教育の向上を目的とした「子供防災教室(立山カルデラ砂防勉強会)」を開催しました。(今回で5回目の開催、5小学校で199人案内)
今後も引き続き、これらの活動等を通して「立山・黒部」世界文化遺産登録に向けた支援をしてまいります。

知事回答:登録に向けた条件が整ってきた。来年は富山で国際防災学会が開かれる。世界文化遺産登録の実現に向けしっかり努力する。
流域の小学生を子供防災教室の開催で立山カルデラに案内してもらっていることには感謝している。