一般社団法人斜面防災対策技術協会 富山支部
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2017 斜面防災対策技術講演会

「土砂災害と環境保全」
〜住み良い県土を造りだす。〜

 をテーマとした講演会を平成29年2月14日(火)、富山市内のホテルグランテラス富山で開催しました。

○主催: (一社)斜面防災対策技術協会富山支部、富山県治水砂防協会、NPO法人富山県砂防ボランティア協会
○後援: 富山県、北日本新聞社、日刊建設通信新聞社北陸支局、富山県地質調査業協会、(公社)日本地すべり学会中部支部、(公社)地盤工学会北陸支部、NPO法人富山県地すべり防止工事士会、グリーンキャスター事業協同組合、立山・神通砂防スペシャルエンジニア、立山砂防女性サロンの会

〜講 演 会 の 開 催 結 果〜

 講演会場には、一般県民、国・県・市町村等の行政関係者、砂防ボランティア関係者、協会員、立山砂防女性サロンの会員、関係協会など約440名の参加があり、盛会に開催できました。
 本講演会が、「土砂災害」に関する様々な情報について、広く県民、行政関係者、防災に携わる企業関係者等がハード、ソフト両面から学び、自ら考える機会となり、今後いざという時の対策 に大いに役立ち、実りある成果があったものと考えております。

開 会(13:30)

開 会 挨 拶 (一社)斜面防災対策技術協会富山支部長 村尾 于尹

 主催者を代表して、村尾支部長が「近年国内外で深刻な 土砂災害が多数発生しており、防災への我々の取り組みを理解してもらいたい。今回で31回目の講演会の開催となるが、災害は遠いところの話ではない。これからも防災・減災の必要性を訴えていきたい。」と挨拶を行いました。

村尾于尹支部長

村尾于尹支部長

基 調 講 演

 「土砂災害防止と環境保全との調和」と題して、東京農工大学大学院石川芳治教授に講演して頂きました。
 石川教授には、ヨーロッパでは環境に配慮し自然石を使った砂防施設が多いなど世界の砂防施設の事例、また、アメリカでの木材を使用した治水施設の例を挙げ、「強度はコンクリートと同程度、加工や施工が容易で地元産を利用することで経費の節減と資源の循環が確立できる。」と土砂災害防止と環境保全の事例などを学術的に詳しく講演して頂きました。

石川芳治教授

石川芳治教授

技 術 報 告

 国土防災技術 田中賢治執行役員緑環境事業部長からは、植物活性剤の「フルボ酸について」と題しての技術報告をして頂きました。
 内容としては、フルボ酸の開発の背景、生成方法、利用事例と利用の技術、また、フルボ酸が地球環境問題へ貢献している事例などを紹介して説明して頂きました。

田中賢治執行役員緑環境事業部長

田中賢治執行役員緑環境事業部長

体 験 報 告

 斜面防災対策技術協会富山支部では、平成25年度から国土交通省立山砂防事務所の協力を得、斜面防災の重要性を知ってもらうため、常願寺川流域の小学生を対象に直接立山カルデラ内で防災事業等を体験する勉強会を企画しています。
 今年度は、富山市立大庄小学校5年生に昨年9月実施した立山カルデラ内での体験学習と、国土交通省立山砂防事務所職員の方から土砂災害と砂防の役割について、体験学習、模型実験と講義を通して教えてもらったことなどを踏まえ、常願寺川上流での砂防の役割と「日常の暮らしは立山砂防事務所職員とその作業にかかわっている作業員の方などに守られている。」との発表を舞台劇と歌で発表してもらいました。防災を担当する団体として感動の体験報告会でした。

富山市立大庄小学校5年生

富山市立大庄小学校5年生

(休憩15分)

体 験 報 告

 立山砂防女性サロンの会の尾畑納子会長からは、サロンの会で昨年視察された「スリランカの災害地 を訪ねて」と題しまして講演をして頂きました。
 冒頭、昨年9月、立山砂防女性サロンの会が「防災功労者内閣総理大臣表彰」を受賞されたことの報告 がありました。スリランカの視察報告では、土砂災害地の崩壊状況、被害状況と避難状況など、また、スリランカで活躍されている女性たちとの交流・親睦や世界遺産2箇所と特産の紅茶製造工場の紹介など、具体的に説明をして頂きました。

尾畑納子会長

尾畑納子会長

技 術 報 告

 昨年10月に当協会がアイスランドの地質と地熱発電について、視察研修を行いました。
 最初に「アイスランドの地質について」と題して、富山大学竹内章名誉教授から講演をして頂きました。内容は、アイスランドの地質構造、ユーラシアプレートと北アメリカプレートの接点、地熱フィールド、火山性地殻変動、火山災害や氷河による水力発電の利用について、専門の地震地質学、海洋地質学の観点から講演をして頂きました。

竹内章名誉教授

竹内章名誉教授

技 術 報 告

 次に、「アイスランドの地熱発電の取り組みについて」と題して、兜ミ山土建片山俊介専務取締役から講演をして頂きました。内容は、一般論としての地熱エネルギ―の地球内部構造、地熱発電のメリット、日本と世界の地熱発電の現況などを前段に説明して頂き、後段は、アイスランドの地熱発電の取り組みとして、具体的に「ヘトリスヘイジ地熱発電所」の発電施設の概要、地熱発電活用の歴史、発電所から出る熱水で家庭暖房や道路消雪の活用の技術報告をして頂きました。
 また、地熱発電所の関連施設として、地熱発電所が汲みあげた地下熱水の排熱水を再利用した、露天温泉としては世界最大の「ブルーラグーン温浴施設」(面積:5,000u)の施設紹介もありました。
 アイスランドは、日本と同様で地熱発電と水資源が豊富で、地熱発電所は公営企業で管理運営されていること、地熱発電は、発電だけでなく生活に関連した暖房などの熱源や温浴施設など多方面で活用されていること、などの活用状況を詳細に分かりやすく講演して頂きました。

片山俊介専務取締役

片山俊介専務取締役

技 術 報 告

 昨年11月に当協会で熊本地震災害地の視察研修を行いました。
 「熊本地震災害調査について」と題して、共栄興業葛Z術部技術課木田晃介技師から講演をして頂きました。
 前段は、熊本地震の土砂災害の概要について、位置図、地質概要、具体的な被害の説明をして頂きまし た。後段は、阿蘇大橋地区の被災状況、地質状況、復旧状況などの説明、火の鳥温泉地区と高野台地区の被災状況、地質状況、調査状況などの説明、その後、震源地である益城町の住宅、河川、道路の被災状況の説明、 阿蘇神社の被災と復旧状況の説明などを詳細に説明して頂きました。
 また、協会支部が災害協定に基づく活動として、今年1月に富山県南砺市利賀村で発生した地すべり災害の災害調査、観測計測器と警報機の設置の状況について説明して頂きました。

木田晃介技師

木田晃介技師

閉 会(17:30)

閉 会 挨 拶 NPO法人富山県砂防ボランティア協会会長 吉田 攻

 吉田会長から、講師の方々と多くの参加者に対するお礼、「今後、富山県の斜面防災対策にソフト、ハードの両面で積極的に取り組んでいきたい。」との挨拶があり、閉会しました。

吉田攻会長

吉田攻会長

講 師 を 囲 む 会

 講演会終了後は、講演を頂いた講師を囲み「講師を囲む会」が開催され、多くの方に参加を頂き、有意義に懇談して終了することができました。

パ ネ ル 展 示

 会場では、熊本地震災害調査、アイスランド海外研修、立山カルデラ砂防勉強会、富山県南砺市利賀村の地すべり災害のパネルを展示し、県民、行政機関、防災関係者など多くの方に見ていただきました。

パネル展示

パネル展示