一般社団法人斜面防災対策技術協会 富山支部
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2015斜面防災対策技術講演会

「美しいふるさとを守る使命がある。」
〜土砂災害とその対応・立山カルデラの噴火の可能性〜

をテーマとした講演会を平成27年2月12日(木)、富山市内のホテルグランテラス富山で開催しました。

○主催:(一社)斜面防災対策技術協会富山支部、富山県治水砂防協会
     NPO法人富山県砂防ボランティア協会

○後援:富山県、北日本新聞社、日刊建設通信新聞社北陸支局
     富山県地質調査業協会、(公社)地盤工学会北陸支部
     NPO法人富山県地すべり防止工事士会
     グリーンキャスター事業協同組合
     立山・神通砂防スペシャルエンジニア

〜講 演 会 の 開 催 結 果〜

 講演会場のホテルグランテラス富山には、一般県民、国・県・市町村等の行政関係者、砂防ボランティア関係者、協会員、立山砂防女性サロンの会員、関係協会など約430名の参加があり、盛会に開催できました。
 本講演会が、「土砂災害」に関する様々な情報について、広く県民、行政関係者、防災に携わる  企業関係者等がハード、ソフト両面から学び、自ら考える機会となり、今後いざという時の対策に大いに役立ち、実りある成果があったものと考えております。

開会(13:30)

挨拶 (一社)斜面防災対策技術協会富山支部長 村尾 于尹

 主催者を代表して、村尾支部長が「近年国内外で深刻な土砂災害が多数発生しているが、防災施設など社会資本の整備効果は災害が発生しないと理解されない。これからも防災・減災の必要性を訴えていきたい。」と挨拶を行いました。

村尾于尹支部長

村尾于尹支部長

特別講演(13:35〜14:35)

 「深層崩壊を伴う大規模土砂災害とその対策」と題して、京都大学大学院 藤田正治 教授から講演を頂きました。
 藤田教授には、2011年9月の豪雨による紀伊半島の土砂災害を例に、降雨条件による土砂災害のメカニズムを紹介いただきました。将来展望として災害のシナリオを想定し、リスクの内容を把握する警戒避難支援シミュレ―タの開発と活用を呼びかけられました。また、国内で発生した土砂災害事例などを学術的に詳しく講演して頂きました。

藤田正治教授

藤田正治教授

体験報告

 斜面防災対策技術協会富山支部では、昨年度から国土交通省立山砂防事務所の協力を得、斜面防災の重要性を知ってもらうため、常願寺川流域の小学生を対象に直接カルデラ内で防災事業等を体験する勉強会を企画しています。
 今年度は、富山市立上滝小学校6年生に昨年9月に体験学習をしてもらいましたので、それを劇で発表していただきました。
 戦国時代の佐々成政が常願寺川の洪水対策として築造した「佐々堤防」、安政5年の地震による「鳶崩れ」に伴う大災害後の「デレーケ」のカルデラ視察、富山県による砂防事業の着手、砂防事業の直轄化に伴う「赤木正雄」の登場など歴史的な背景を演じていただきました。更に、東日本大震災時に津波から避難した小学生が実施していた避難訓練「津波てんでんこ」を踏まえ、子供たち自身が日頃から防災に備えて、家庭内での「命を守る行動について」話し合いを行うことの大切さを発表。そして、今回の体験学習を通じて「命の尊さ」学び、大自然の中で生かされていることに感謝をし「絶対に安全はない」「これで安心はない」と戒めていました。また、発表には「ユーモア」も交え、会場の笑いも誘うなど防災を担当する団体として感動の体験報告でした。

上滝小学校

(DVD)

上滝小学校

上滝小学校

基調講演(14:55〜15:40)

 「知っておきたい土砂災害と富山のはなし」と題して、国の防災専門家の立場から、国土交通省 国土技術政策総合研究所 土砂災害研究部 渡 正昭 部長から講演を頂きました。
 渡 部長からは、昨年8月に発生した広島県土砂の災害事例、豪雨と土砂災害の関係、土砂災害の特徴と留意点、減災の取り組みや砂防事業の効果などソフト、ハード面から具体的に分かりやすく講演して頂きました。
 また、富山県民が関心のある富山の話として、富山県の地理的条件、立山連邦の山の名前など県民が初めて知る情報を講演していただきました。

渡正昭部長

渡正昭部長

(休憩15分)

基調講演(15:55〜16:25)

 「御嶽山の火山災害と立山火山での噴火の可能性」と題して、富山大学大学院理工学研究部竹内章教授から講演を頂きました。
 竹内教授からは、日本の火山活動、地震と火山の関係、昨年の御嶽山の火山現象の講演、さらに、立山の弥陀ヶ原の噴火の可能性について、近年の活動、断層運動と火口の関係など活動のメカニズムについて、専門の地震地質学、海洋地質学の観点から講演を頂きました。

竹内章教授

竹内章教授

技術報告(16:25〜16:50)

 須田 明弘 ダイチ葛Z術部技術課課長補佐 からは、昨年12月に協会支部主催で実施した「伊豆大島土砂災害調査」の技術報告をして頂きました。
 内容としては、土砂災害の概要、調査箇所、地形・地質、気象状況の説明と、地区ごとの崩壊の現象、また、砂防施設の効果、現在の復旧状況などを具体的に現地視察の詳細について説明してもらいました。
 また、協会支部の災害協定に基づく活動実績についても説明して頂きました

須田明弘課長補佐

須田明弘課長補佐

技術報告(16:50〜17:10)

 立山砂防女性サロンの会役員の磯野くに子氏からは、サロンの会で昨年視察されたハワイ島について、「ハワイ島キラウエア火山を訪ねて」と題しまして講演を頂きました。
 磯野くに子氏からは、キラウエア火山の噴火、火口、溶岩流のこと、また、ハワイ島にあるマウナケア天文台からの眺め、現地女性団体との交流などについて、具体的に説明を頂きました。

磯野くに子役員

磯野くに子役員

行政報告(17:10〜17:30)

 「行政における土砂災害の取り組みと台湾交流」と題して、上市町の防災責任者の立場から、上市町建設課の中村政一課  長から講演を頂きました。
 中村課長からは、町の土砂災害の取り組みとして、ハザードマップの住民への周知、防災訓練などを具体的に説明して頂きました。
 また、台湾日本砂防共同研究会が台湾で開催され、シンポジウムで発表された砂防知識の普及・啓発活動について、ソフト、ハード面から具体的に分かりやすく講演して頂きました。

中村政一課長

中村政一課長

閉会(17:30)

閉会挨拶 NPO法人富山県砂防ボランティア協会会長 吉田 攻

 吉田会長から、講師へのお礼と多くの参加者に対するお礼、「今後、富山県の斜面防災対策にソフト、 ハードの両面で積極的に取り組んでいきたい。」との挨拶があり、閉会しました。

吉田攻会長

吉田攻会長

講師を囲む会

講演会終了後は、講演を頂いた講師を囲み「講師を囲む会」が開催され、多くの方に参加を頂き、有意義に懇談して終了することができました。

パネル展示

会場では、伊豆大島土砂災害、広島県土砂災害、富山県砺波市井栗谷地区地すべり災害、富山県魚津市東山地区土砂災害、立山カルデラ砂防勉強会のパネルを展示し、県民、防災関係者など多くの方に見ていただきました。

パネル展示

パネル展示