一般社団法人斜面防災対策技術協会 富山支部
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2014斜面防災対策技術講演会
「いつどこで 深層崩壊 生じるのか。」〜メカニズムを知り有事に備える〜
をテーマとした講演会を
平成26年2月10日(月)富山市内のホテルで開催しました。

  • 主 催: (一社)斜面防災対策技術協会富山支部、
         富山県治水砂防協会、
         NPO法人富山県砂防ボランティア協会
  • 後 援: 富山県、北日本新聞社、日刊建設通信新聞社北陸支局、
         富山県地質調査業協会、(公社)地盤工学会北陸支部、
         NPO法人富山県地すべり防止工事士会、
         グリーンキャスター事業協同組合、
         立山・神通砂防スペシャルエンジニア

講演会を開催して

 近年、ゲリラ豪雨により山腹斜面が大きく崩壊する「深層崩壊」と呼ばれる土砂災害が全国各地で発生しています。平成25年10月の台風26号の豪雨に伴い伊豆大島では、大規模な土砂災害により、死者35名の甚大な被害が発生しました。

 本講演会は、「いつどこで深層崩壊生じるのか。」をメインテーマに、「メカニズムを知り有事に備える」をサブテーマにして、県内外の研究者から、近年多発する土砂災害について解説してもらい、防災対策の視点から「深層崩壊」について考える機会となることを期待して開催しました。

 会場の富山市内のホテルグランテラス富山には、一般県民、国・県・市町村等の行政関係者、砂防ボランティア関係者、協会員、立山砂防女性サロンの会員など360名の参加があり盛会に開催できました。

 本講演会が、「深層崩壊」に関する様々な情報について、広く県民、行政関係者、防災に携わる企業関係者等がハード、ソフト両面から学び、自ら考える機会となり、今後いざという時の対策に大いに役立ち、実りある成果があったものと考えております。

2014斜面防災対策技術講演会 会場の様子

講習会の次第

開会(13:30)

  • 開会挨拶 (一社)斜面防災対策技術協会富山県支部長 村尾 于尹

主催者を代表して、村尾支部長が「防災施設など社会資本の整備効果は災害が発生しないと理解されない。これからも防災・減災の必要性を訴えていきたい。」と挨拶を行いました。

村尾 于尹支部長

特別講演(13:35〜14:35)

特別講演 千木良雅弘教授

 「深層崩壊−どこが崩れるのか。」と題して、日本の深層崩壊の第一人者である京都大学大学院千木良雅弘教授から講演を頂きました。

 千木良教授には、深層崩壊の要因、降雨による深層崩壊の予測や災害事例、地震による深層崩壊など、国内外で発生した 事例などを学術的に詳しく講演して頂きました。

体験報告(14:35〜15:05)

体験報告 立山小学

 斜面防災対策技術協会富山支部では、今年度から国土交通省立山 砂防事務所の協力を得、斜面防災の重要性を知ってもらうため、 常願寺川流域の小学生を対象に直接カルデラ内で防災事業等を体験する勉強会を企画しました。

 今年度は、立山町立立山小学校6年生に昨年9月に体験をしてもらいましたので、「わたしたちのくらしを守る立山砂防」と題して、「過去の災害、土石流の流れ、砂防堰堤の役割について、また、白岩砂防堰堤や災害の被災跡、工事現場で働いている人のこと」など、体験学習の成果を発表していただきました。

 生徒からは、「わたしたちの知らないところで安全な暮らしを支えてくれている人たちがいることに気づいた」などの感想がありました。

基調講演(15:05〜16:05)

基調講演 岡本理事長

 「災害時の対応」と題して、国の防災専門家の立場から、一般社団法人 全国治水砂防協会の岡本正男 理事長から講演を頂きました。

 岡本理事長からは、伊豆大島災害と全国各地の災害事例とその対応、土砂災害防止法、警戒避難体制、被害の原因、砂防施設の効果などソフト、ハード面から具体的に分かりやすく講演して頂きました。

<休憩15分>

技術報告(16:20〜17:00)

 「ハワイ島火山活動」と題して、富山大学大学院理工学研究部竹内 章 教授と(株)村尾地究調査部 新谷 崇 調査二課長から講演を頂きました。昨年11月に協会主催でハワイ島火山活動の現地視察した技術報告です。

 最初は、竹内 章 教授から、ハワイ島火山活動のメカニズムについて、専門の地震地質学、海洋地質学の 観点から講演を頂きました。

 次に、新谷 崇 調査二課長からは、ハワイ島の地質、ホットスポット、キラウエア火山と溶岩
トンネル、 噴石丘、また、オアフ島のダイヤモンドヘッドやハナウマベイが火山活動でできた火山砕屑丘の内容など現地視察の詳細について説明してもらいました。 また、県・市町村との災害協定による災害出動の取り組みについても説明して頂きました。

技術報告 竹内章教授 

技術報告(17:00〜17:30)

技術報告 丹保俊哉 新谷 崇課長

 「富山県東部地域のジオパークを伝え守り活かそう」と題して、立山黒部ジオパーク推進協議会の丹保 俊哉 氏から講演を頂きました。

前半は、昨年から研究されてきたジオパークの理念、楽しみ方、 目的などの説明、後半は、立山黒部ジオパーク構想、事業的課題、ジオパークの運営・組織・役割や日本ジオパーク認定に向けたスケジュールなどについて、具体的に説明を頂きました。

花束贈呈

  • 受賞者 立山砂防女性サロンの会 吉友 嘉久子 様
花束贈呈 吉友 嘉久子

 今年度、一般社団法人 全国治水砂防協会から、日本の砂防を女性、そして住民の立場から広く啓発活動をされ、「巨石が来た道」など 砂防に関する書物を刊行し、併せて、国土交通省や砂防関係法人の委員など、永きにわたり活躍された功績を評価され、栄誉ある「赤木賞」を受賞されることになりました立山砂防女性サロンの会アドバイザーの「吉友 嘉久子 様」に当協会から花束を贈呈しました。

閉会(17:30)

  • 閉会挨拶 NPO 法人富山県砂防ボランティア協会 会長 本田 孝夫

 本田会長から、講師へのお礼と多くの参加者に対するお礼、今後、富山県の斜面防災対策にソフト、 ハードの両面で積極的に取り組んでいきたいとの挨拶があり、閉会しました。

閉会挨拶 本田孝夫会長

講師を囲む会

 講演会終了後は、講演を頂いた講師を囲み「講師を囲む会」が開催され、多くの方に参加を頂き、有意義に懇談して終了することができました。

パネル展示

閉会挨拶 本田孝夫会長

 会場では、ハワイ島火山活動、伊豆大島と全国の土砂災害、立山カルデラ砂防勉強会、一昨年の紀伊半島の土砂災害などをパネル展示し、県民、 防災関係者など多くの方に見ていただきました。