平成25年度「子供防災教室(立山カルデラ砂防勉強会)」を今回初めて開催しました。概要は以下のとおりです。
場 所:
立山カルデラ(国土交通省北陸地方整備局立山砂防事務所管内、富山市、立山町)
協 力:
富山県、国土交通省北陸地方整備局立山砂防事務所
参加小学校:
立山町立立山小学校6年生 (生徒25名、教員2名、保護者4名、案内・随行4名、合計35名)
(行程、小学校8時30分発〜16時30分着)
立山小学校発⇒バス⇒立山カルデラ砂防博物館⇒トロッコ⇒水谷平(昼食)
⇒白岩右岸対策トンネル⇒白岩砂防堰堤(国指定重要文化財)⇒白岩下流
展望台⇒六九谷展望台⇒湯川12号砂防堰堤より上流の砂防工事
⇒立山温泉跡地⇒バス⇒跡津川断層⇒有峰記念館⇒立山小学校着
開催目的
(立山カルデラについて)
- 安政5年(1858)の地震により、常願寺川上流の立山カルデラ内で4.1億立方メートルの大崩壊が発生し、その土砂が土石流となり下流の富山平野で多くの死者を出しました。
- 未だその半分の2億立方メートルがカルデラ内に堆積しており、常願寺川では大雨が降るたびに、富山平野に土砂を流す暴れ川となりました。このため、砂防事業が明治39年(1905)富山県で着手され、大正15年(1926)国の直轄事業に引き継がれ、現在も、カルデラ内では富山平野を土砂災害から護るため、厳しい工事環境の中で、多くの人たちが働いています。
- 富山県では、「立山・黒部」の世界文化遺産登録を目指し、カルデラ内の立山砂防を中心に国際的な評価の検証・確立等に取り組んでおられます。(勉強会について)
- 富山県支部では、今年度から斜面防災の重要性を知ってもらうため、流域の小学生を対象に直接カルデラ内での体験勉強の場を企画しました。
- 具体的には、常願寺川流域に住む立山小学校の生徒が、自分たちが生活している土地や、人の安全のために行われているカルデラ内での防災事業の砂防を勉強し、常願寺川の自然や砂防・治水などについて学び、斜面防災の大切さに関する教育の向上を目的として開催しました。
勉強会の結果
- 小学生はトロッコでの移動で疲れた様子でしたが、普段意識することもなく、初めて見た壮大なカルデラを見学して、自分たちが住んでいる常願寺川流域の上流でかつて大崩壊が起こったことや厳しい環境の中で今も行われている砂防事業の現場に驚いて見入っていました。
・感想文
その1
トロッコに乗った時、初めはすごく楽しかったけれど、時間が経つとだんだんと疲れてきました。水谷平で働いておられる方は、こんな思いをして職場に向かっているなんて大変だと思いました。カルデラの中で見たトンネル内からアンカーを打ちこんで山肌を支えているのを見て、すごい技術だと感心しました。 佐伯 嶺
その2
カルデラ見学会の説明の中で、24時間体制で工事や監視をしていることを知りました。また、砂防堰堤は今でも作り続けているそうです。富山平野で暮らす私たちのことを考えて大変な作業をしておられる人たちに感謝したいと思いました。 佐伯 菜那
今後の予定について
・富山県支部では、砂防事業の重要性を理解してもらうため、この勉強会を来年度以降も継続していきたいと考えています。