一般社団法人斜面防災対策技術協会 富山支部
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2013斜面防災対策技術講演会
「大規模崩壊に克つ。」〜崩壊のメカニズムと災害時の対応〜
を平成25年2月21日(木)に開催しました。

  • 主 催: (社)斜面防災対策技術協会富山県支部、富山県治水砂防協会、
         NPO法人富山県砂防ボランティア協会
  • 後 援: 富山県、北日本新聞社、日刊建設通信新聞社北陸支局、
         富山県地質調査業協会、(社)地盤工学会北陸支部、
         NPO法人富山県地すべり防止工事士会、
         グリーンキャスター事業協同組合

講演会を開催して

 近年、ゲリラ豪雨により山腹斜面が大きく崩壊する「大規模崩壊」と呼ばれる土砂災害が国内外において多数発生しています。

 この現状を踏まえ、当支部では、昨年7月に台湾中部1999年(集集)地震地すべりの現地視察、昨年12月に紀伊半島台風12号による河道閉塞への対応の現地視察を実施しました。その視察の成果として現地で学んだ事項を基に講演会を開催しました。

 また、特別講演では、昨年日本で始めて確認された「立山氷河」について、基調講演では、台湾大地震の痕跡保存をしている台湾教育園區国立自然科学博物館の紹介、技術報告では、「立山・黒部」世界文化遺産登録に向けた取り組みなどを報告してもらいました。

 会場の高志会館には、一般県民103名(富山大学、富山県立大学、富山国際大学の学生も参加)、国・県・市町村等の行政関係者78名、県内防災担当者、ボランティア関係者、当協会の会員119名など定員の280名を超える総勢300名の参加があり盛会に開催できました。

 本講演会が、「大規模崩壊」に関する様々な情報について、広く県民、行政関係者、防災に携わる企業関係者等がハード、ソフト両面から学び、自ら考える機会となり、今後いざという時の対策に大いに役立ち、稔りある成果があったものと当支部では考えております。

2013斜面防災対策技術講演会 会場の様子

講習会の次第

開会(13:30)

  • 開会挨拶 (社)斜面防災対策技術協会富山県支部長 村尾 于尹

主催者を代表して、村尾支部長が挨拶を行いました。

村尾 于尹支部長

特別講演(13:35〜14:15)

特別講演 飯田肇学芸課長

 「立山連峰の積雪と氷河」と題して、立山カルデラ砂防博物館 飯田 肇学芸課長から講演を頂きました。

 飯田氏には、昨年立山連峰で日本で始めて氷河が確認されるまでの経過、調査内容、3箇所の氷河場所、1ヶ月当たり10〜30cmの移動、厚さ、氷河ができた過程など詳細に講演を頂きました。

また、氷河が急激に溶けると土砂災害が発生することも世界で発生した事例で紹介して頂きました。


基調講演(14:15〜14:50)

基調講演 黄嘉慧解説員

 「台湾・921地震教育園区〜防災教育の基地として〜」と題して、台湾国立自然科学博物館 黄(こう) 嘉(か)慧(けい) 解説員から講演を頂きました。

 黄解説員は、昨年7月に協会主催で台湾地震の現地調査をした際に、地震被害を現地保存したり、地震教育をしている地震博物館をを案内して頂き、そのご縁で講師を依頼したものです。

 黄解説員からは、台湾の自然災害が多く、1999年9月21日に発生した大地震の規模や被害状況の説明、博物館の施設概要、教育内容や各種イベントや展示内容、国際交流など具体的に説明を頂きました。

<休憩10分>

基調講演(15:00〜15:40)

基調講演 三上幸三所長

 「大規模災害と対応」と題して、国土交通省北陸地方整備局立山砂防事務所の三上 幸三所長から講演を頂きました。

 三上所長からは、所長が担当してこられた全国各地の災害事例とその対応、最近の立山砂防事務所の取り組み、立山砂防の魅力や災害協定による防災訓練など具体的に説明を頂きました。

技術報告(15:40〜16:30)

技術報告 竹内章教授

 「台湾中部1999年(集集)地震地すべりの現地を視察して」と題して、富山大学大学院理工学研究部竹内 章教授と、椛コ尾地研調査部 山田 洋正主任地質専門員から講演を頂きました。昨年7月に協会主催で台湾地震の現地調査をした際の技術報告です。

 最初は、竹内 章教授から、台湾中部地震の発生のメカニズムについて、専門の地震地質学、海洋地質学の観点から講演を頂きました。


 次に、山田 洋正主任地質専門員からは、3箇所の災害現場の 被災状況と現在の復旧状況、台湾国立自然科学博物館の内容など現地視察の詳細と県・市町村との災害協定による取り組みなどを説明して頂きました。

技術報告(16:30〜17:00)

技術報告 香川真係長

 「平成23年台風12号に伴う紀伊半島河道閉塞への対応」と題して、共栄興業葛Z術部 香川 真係長から講演を頂きました。

 この報告も、昨年12月に協会主催で紀伊半島河道閉塞の現地調査をした際の技術報告です。

 香川 真係長からは、平成23年台風12号による土砂災害に関して、原因となった気象状況、被害状況と視察した3箇所の災害発生から現在までの対策について、国土交通省紀伊山地砂防事務所の取り組みについて詳細な報告をして頂きました。

技術報告(17:00〜17:30)

技術報告 椎葉秀作砂防課長

 「『立山・黒部』世界文化遺産登録に向けた取り組み」と題して、富山県土木部 椎葉 秀作砂防課長から講演を頂きました。

 椎葉 秀作砂防課長からは、世界遺産の概要、世界文化遺産登録の条件、「立山・黒部」世界文化遺産への提言を前段に説明して頂いた後、富山県の今までの具体的な取り組み、白岩砂防堰堤の重要文化財指定や今後の取り組みや課題などについて具体的に講演を頂きました。

閉会の挨拶(17:30)

  • 閉会挨拶 NPO法人富山県砂防ボランティア協会会長 本田 孝夫

 本田会長から、講師へのお礼と多くの参加者に対するお礼、今後、富山県の斜面防災対策にソフト、ハードの両面で積極的に取り組んでいきたいとの挨拶があり、閉会しました。

閉会挨拶 本田孝夫会長

講師を囲む会

 講演会終了後は、講演を頂いた講師を囲み「講師を囲む会」が開催され、多くの方に参加を頂き、有意義に懇談して終了することができました。

パネル展示

 会場では、台湾大地震と国内の被災状況、「立山・黒部」の世界文化遺産登録に向けた取り組み、立山の氷河などをパネル展示し、県民、防災関係者など多くの方に見ていただきました。

閉会挨拶 本田孝夫会長