一般社団法人斜面防災対策技術協会 富山支部
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斜面防災対策技術講習会を開催します。

開催の趣旨

 近年のゲリラ豪雨などにより山腹斜面が深部から大きく抉られた大崩壊(以下「深層崩壊」と言う)による土砂災害が世界各地で多く発生しています。新しいところでは、2009年8月9日の台湾・高雄県甲仙郷小林村では約500人の死者が、2010年8月8日の中国の甘粛省舟曲県では数千人の死者が発生した土砂災害は、この「深層崩壊」が直接、間接的に引き金となったと言えます。一方、国内においては、1997年7月に鹿児島県出水市の針原川、2003年の熊本県水俣市の集川の土石流災害においても「深層崩壊」が大きく関与し、土石流となって多くの人命、家屋や河川、道路などに大きな被害を与えました。富山県においても1858年に立山カルデラ内で発生した「大鳶・小鳶の大崩壊」、1969年の「六九谷の崩壊」、また、黒部川上流部では明治以降に7箇所の崩壊が報告され、この「深層崩壊」に伴う土砂災害が発生しています。

 国土交通省の資料によれば、富山県内での深層崩壊推定頻度区分(国土交通省砂防資料)では「特に高い」地域が25%と全国6番目となっています。県内には急峻な山岳地から流下する河川が多く、山間部において、一度、深層崩壊が発生すると、河川の閉塞(天然ダム)が形成され、天然ダムの決壊による大災害の発生が危惧されます。

 この「深層崩壊」に関する様々な情報について、県民、行政、企業関係者等が学び、考え、自らの情報として吸収し、日常の知識として、いざというときの対策に役立つことが大切であると当支部では考えております。

 今後、ゲリラ豪雨の多発等によって、県内において必ず発生するであろう「深層崩壊」に対する様々な情報を共有するとともに、当支部が昨年11月に台湾・小林村の現地視察を行った報告を行い、災対策としてソフト・ハードの両面から行い、「深層崩壊」について考える機会とするものです。

 なお、本講習会は、昨年10月に富山県において「国際砂防フォーラム2010」が開催されましたがその協賛イベントとして位置づけるとともに、長年にわたり富山県の砂防事業の推進に努めてきました「富山県治水砂防協会」が今年、70周年を迎えるに当たり、その記念事業としても開催するものです。

講習会の次第(開場 13:00)

開会前(13:20〜)

「台湾・高雄県小林村を襲った土石流災害」の記録 DVD又はスライドの放映(予定)

開会(13:30)

挨拶 (社)斜面防災対策技術協会富山県支部長 村尾 于尹

特別講演(13:35〜)

「日本における深層崩壊の特徴と危険度評価」
独立行政法人 土木研究所 土砂管理研究グループ長 原 義文

基調講演(14:35〜)

(仮題)「深層崩壊のメカニズムについて」
東京農工大学 名誉教授 中村 浩之

休憩(15:25〜15:35)

海外視察報告(15:35〜)

「インドネシア ムラピ火山の現地を訪ねて」
立山砂防女性サロンの会 アドバイザー(オフィス吉友代表) 吉友 嘉久子

現地視察報告(16:05〜)

(仮題)「台湾・高雄県小林村の深層崩壊による災害について」
富山大学大学院理工学研究部地球環境システム学系(地質学) 教授 竹内 章

現地視察報告(16:50〜)

「台湾・高雄県小林村の現地を視察して」
ダイチ(株) 技術部主任 須田 明弘

閉会の挨拶(17:20)

富山県治水砂防協会長 上市町長 伊東 尚志

意見交換会(17:30〜)

写真展「台湾・高雄県小林村の被災状況」